「ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI)ってどんな企業なの?」
「配当利回り10%超えてるけど、大丈夫なの?」
「今後どうなるの?リスクは?将来性は?」
米国高配当株として有名なBTIですが、配当生活を夢見るあなたはその理由や企業について深く知りたいはずです。
この記事ではBTIを徹底的に分析することで、配当生活にふさわしい銘柄か検証していきます。
ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI)について
- 会社概要や経営方針
- 配当利回りが高い理由
- 今後注目すべきポイント
- 将来性やリスク要因
- 配当生活に有効な理由
結論として、BTIについて一番注目すべき点はこちらです。
2017年に買収したレイノルズアメリカンインクの減損処理の行方
この記事を読めば、BTIに関する多くの疑問が解消し、あなたの配当生活に必要な銘柄かどうか判断できるようになります。
また米国株に関する知識も深まるので、投資に対する意識の高いあなたは大きく成長し、経済的自立に向けた一歩を踏み出せるでしょう。
米国高配当株は夢の配当生活に大きく近づけます。
皆さんの米国株投資を応援します。
今後注目すべきポイント
BTIについて今後注目すべきポイントは以下の4点です。
- レイノルズアメリカンインクの減損処理の行方
- 従来の葉巻タバコから次世代製品への移行
- 今後も40%以上の高い営業利益率を維持できるか
- 右肩上がりの株価がどこまで上昇するか
これらのポイントに注意しながら同社の動向を見極めていきましょう。
本記事ではこれらのポイントに沿って、BTIについて徹底解析していきます。
配当生活とは何か
配当生活とは
配当生活とは給料などの労働収入に依存せず配当金だけで生活し、経済的に自立することをいいます。
そのためには米国株の存在が欠かせません。
なぜなら米国株は長期的に安定した優良な高配当銘柄が多いため、配当生活に大きく貢献できるからです。
例えばウォーレン・バフェットはコカコーラ社を長期保有し、その利益を再投資し続けたことで大きなリターンを得ています。
このように配当生活とは、配当金だけで経済的に自立することをいいます。
バフェットが長期保有し続けている銘柄とその理由を分析することが、配当生活に重要な第一歩となります。
BTI(ブリティッシュアメリカンタバコ)の会社概要
BTIの会社概要は以下のとおりです。
基本情報 | 詳細 |
---|---|
設立年 | 1902年 |
企業名(ティッカー) | ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI) |
上場市場 | ニューヨーク証券取引所(1998/09/08上場) |
配当金 | 1株あたり0.744USD(2024年6月の配当金) |
従業員数 | 約46,700人 |
時価総額 | 86,464(百万USD) |
URL | ブリティッシュアメリカンタバコHP |
BTIはロンドンに本社を置くタバコ産業のリーダーで、約180カ国で製品を販売しています。
主力製品には従来の紙巻きタバコブランド「ラッキーストライク」などに加えて、加熱式タバコ「グロー」があります。
過去に連続19年増配した経歴もあるわ。
株価推移
BTIの株価推移を見ていきます。(引用元:TradingView)
株価は2022年頃から下降チャートが続いていましたが、2024年に入ってから右肩上がりのチャートとなり急回復しています。
2018年に大きく下落してるね?
それは2017年にレイノルズアメリカンインクを買収した影響です。
とても重要なので、詳しくは「レイノルズアメリカンインクの買収」を見てください。
株価指標の推移(PER・PBR・EPS)
株価の主な指標であるPERやPBR、EPSについて、タバコ市場の同業他社であるフィリップモリス・インターナショナル(ティッカー:PM)と比較しながら見ていきます。
PERの推移(年間データ) | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|
BTI | 13.37 | 10.48 | 9.20 | 11.12 | – |
PM | 18.47 | 16.05 | 16.31 | 17.41 | 18.75 |
PBRの推移(年間データ) | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|
BTI | 1.15 | 1.00 | 0.94 | 0.98 | 0.97 |
PM | – | – | – | – | – |
EPSの推移(年間データ) | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|
BTI | 3.19 | 3.59 | 4.08 | 3.61 | -8.04 |
PM | 4.61 | 5.16 | 5.83 | 5.82 | 5.02 |
2023年に同社のEPSは大幅に減少しています。
これは大規模な減損処理を行なったため当期純利益が大幅にマイナスとなったためです。
詳しくは「買収による減損処理の計上」を見てください。
財務状況とキャッシュフロー
先程と同様にフィリップモリス・インターナショナルと比較しながら、2023年のBTIの財務状況とキャッシュフローを見ていきます。
2023年の財務状況等 | 売上高 | 売上原価 | 売上総利益(粗利益) | 営業利益 | 経常利益(税引前収益) | 当期純利益 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | フリーCF |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
BTI | 27283 | 4891 | 22392 | 12641 | -17061 | -14367 | 10714 | -296 | -9314 | 7396.62 |
PM | 35174 | 12878 | 22296 | 12697 | 10607 | 7813 | 9204 | -3598 | -5582 | 5606 |
売上高はフィリップモリス・インターナショナルの方が高いにも関わらず、BTIの営業CFは同社のそれより高い数値となっています。
これはBTIの本業の儲けが好調である証拠です。
財務指標の推移
企業の収益性を表す財務指標として、ROEやROA、売上総利益率、営業利益率、当期純利益率があります。
BTIの財務指標の推移について見ていきましょう。
財務指標の推移(年間比較) | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|
ROA | 3.90 | 4.38 | 4.99 | 4.40 | -10.66 |
ROE | 8.66 | 9.64 | 10.58 | 8.98 | -22.72 |
売上総利益率 | 68.19 | 70.33 | 69.30 | 70.11 | 70.04 |
営業利益率 | 42.62 | 44.08 | 43.01 | 43.03 | 45.90 |
当期純利益率 | 22.05 | 24.84 | 26.40 | 23.91 | -52.73 |
2023年の大幅な減損処理のため、ROEや当期純利益率がマイナスとなっています。
でも営業利益率はずっと高水準で、40%を超えているね。
本業であるタバコ産業の好調さがよくわかります。
配当金・配当利回りについて
BTIの配当金や配当利回りについて見ていきましょう。
配当金の権利落ち日と権利確定日
BTIの配当は年4回あります。
配当金の権利落ち日や権利確定日、支払日、支払い金額について見ていきましょう。
権利落ち日 | 権利確定日 | 支払日 | 支払い金額(USD) |
---|---|---|---|
2024/9/27 | 9/27 | 11/6 | 0.733 |
2024/6/28 | 6/28 | 8/7 | 0.744 |
2024/3/21 | 3/22 | 5/7 | 0.725 |
2023/12/21 | 12/22 | 2024/2/6 | 0.727 |
2023/9/28 | 9/29 | 11/8 | 0.709 |
2023/7/13 | 7/14 | 8/23 | 0.729 |
2023/3/23 | 3/24 | 5/8 | 0.719 |
米国株の配当金を受け取るには、権利確定日の2営業日前の日(権利付き最終日という)の取引時間終了時点にその株を保有する必要があります。
その翌日の権利落ち日になれば、保有していた株を売却しても権利は消滅しません。
権利落ち日と権利確定日が同一日の時もあるから注意してね。
配当利回り推移
BTIの配当利回りは以下のとおりです。
配当利回りの推移 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
一株当たり配当金(単位:USD) | 2.60 | 2.56 | 2.71 | 2.92 | 2.62 | 2.88 | 2.93 |
配当利回り(単位:%) | 3.88 | 8.05 | 6.38 | 7.80 | 7.01 | 7.21 | 10.02 |
配当性向(単位:%) | 11.00 | 72.86 | 84.96 | 81.44 | 64.19 | 79.82 | – |
2017年にレイノルズアメリカンインクを買収したため、2018年は減配し配当性向が大幅に上昇しています。
買収して資本金が減ったから、配当金も減ったのね。
連続19年増配していましたが、企業成長のために減配したのです。
なぜ配当利回りが高いのか
BTIの配当利回りが高い主な理由は以下の3つです。
タバコの永続的競争優位性
BTIは主力であるタバコにおいて永続的競争優位性があるため、収益と配当利回りが高くなっています。
永続的競争優位性とは、その分野における絶対的な競争優位性と独占状態があることを言います。
例えばコカコーラ社は清涼飲料水の分野において世界中で知られている絶対的ブランドであり、競合他社の介入が難しく、収益が独占しやすい企業といえます。
ウォーレン・バフェットがコカコーラ社を長期保有しているのはこのためです。
永続的競争優位性から好業績を引き出している企業に投資しておけば、時間が大きな味方となって自分を超リッチにしてくれるという事実を、ウォーレンは学んできたのである。
メアリー・バフェット著:「バフェットの財務諸表を読む力」より
このようにBTIはタバコ市場で永続的競争優位性があるおかげで、収益と配当利回りが高くなっているのです。
タバコ銘柄ではラッキーストライクを始め、ダンヒルやクールなどは世界的に認知されており、永続的競争優位性があるといえますね。
企業方針
BTIはその企業方針として株主還元を重視しているため、配当性向が高くなっています。
これは株主を第一とする米国株市場の伝統的な考え方でもあります。
このような方針を持つ企業は、もしも利益が減少しても資本金やフリーキャッシュフローから配当利回りを維持しようと努めます。
よってBTIの配当利回りは高くなっているのです。
タバコ需要の安定性
タバコは景気変動の影響を受けにくく、需要が安定していることから配当利回りが高くなっています。
なぜなら需要が安定していれば継続的に収益を上げ続けるので、高い配当を維持できるからです。
もしもタバコのように全世界的に浸透した商品がなければ、高い配当を維持することも難しかったでしょう。
よってタバコ需要の安定性も配当利回りが高い理由となっています。
配当性向が高い企業の注意点
配当利回りが高いと、必然的に配当性向も高くなります。
投資家の皆さんは配当性向が高い企業には注意しなければいけません。
なぜなら配当性向が高いと3つのリスクがあるからです。
企業の成長資金がない
高い配当性向の企業は、利益の大部分を配当に回してしまうため、事業の成長や拡大に再投資する資金がありません。
結果としてこれは、長期的にみると企業の成長資金の損失につながります。
財務健全性のリスク
高い配当性向を意識した企業は、財務健全性が損なわれるリスクがあります。
なぜなら配当性向を意識しすぎて、景気が悪化した場合でも借入を増やして配当を維持するなど財務健全性を損なうような対策をするからです。
株価下落のリスク
高い配当性向の企業は、利益が不安定になると株価が下落する傾向があります。
なぜなら景気の悪化などで利益が不安定になると、高配当維持が困難になり、配当目的に買った投資家が売り始めて株価が下落するからです。
過去の例でいうと、配当性向が高くエネルギーセクターで有名なGeneral Electric社は2017年までは配当性向が高かったのですが、その後業績悪化に伴い配当を大幅に削減しました。
このことが投資家に大きな衝撃を与え、株価の急落を引き起こしました。
配当性向が高い企業に投資する際は、これらのリスクを十分に理解して買う必要があります。
せっかく高い配当金を期待して買ったのに、急に低くなったらショックで狼狽売りしちゃうよね。
配当性向が高い企業は、株価下落リスクもよく考えて投資しましょう。
税金対策
BTIの配当金にかかる税金について見ていきます。
配当金にかかる税金はいくらか
米国株の配当金は、日本と少し違った課税方式となっています。
米国株の配当課税について
米国株の配当金には配当課税という税金がかかります。
配当課税の内訳は、米国で配当金の内10%が源泉徴収された後、残金の内20.315%が日本で課税されます。
この配当課税は配当金だけに適用されるものであり、株の売却益には国内税率の20.315%のみが課されます。
配当課税に対して、株の売却益に対する税金を譲渡益課税といいます。
米国株の配当金には余分に税金がかかるわけね。
ADRであるBTIは配当課税がかからない
ただし、BTIの配当金は米国内で徴収される10%の配当課税がかかりません。
なぜならBTIはADRとしてニューヨーク証券取引所に上場しており、ADRの銘柄は米国内の配当課税がかからないルールがあるからです。
ADRとはAmerican Depositary Receipt の略で、米国預託証券を指します。
米国以外の外国企業が発行した株式がドル建てで米国市場で売買できるように発行された有価証券のことです。
例えば日本企業であるソニーグループもADRとしてニューヨーク証券取引所に上場しており、ドル建てで売買することができます。
そのためBTIから配当金を入手しても、米国内で課税される10%の税金がかかりません。
ただし、本国であるイギリス国内の配当課税がかかる場合があります。
BTIのリスク
BTIのリスクは以下の3点です。
規制強化リスク
世界各国における健康志向の加速により、タバコ市場は多くの規制の対象となっています。
以下はタバコ市場が直面する主な規制をまとめた表です。
規制内容 | 詳細 | 範囲 | 影響 | BTIへの影響 |
---|---|---|---|---|
メンソールタバコの禁止 | 米国FDAによるメンソールタバコの禁止が進行中 | 米国市場 | 収益源が減少 | 米国市場での売上に大きな打撃。 |
タバコ税の引き上げ | WHOの「たばこ規制枠組み条約」によるタバコ税引き上げ | 世界各国 | 日本や欧州でのタバコ税の増税 | 価格上昇により購入意欲が低下し、タバコの売上が減少 |
無煙製品(gloなど)の規制強化 | 米国を含む多くの国で、無煙製品の規制が強化 | グローバル市場 | 世界各国でタバコ製品の広告規制や販売制限 | 若年層への販売制限強化により、無煙製品の成長鈍化 |
広告規制とパッケージ規制 | 多くの国でタバコ広告やパッケージデザインの規制強化 | グローバル市場 | イギリスやオーストラリアでのパッケージ無地化規制 | ブランド認知の低下が売上に影響を与える可能性 |
非合法タバコ市場の拡大 | 安価で生産できる非合法タバコ市場が拡大 | ヨーロッパ諸国 アジア圏の一部の国 | 非合法タバコの流通が増加し、市場シェアに影響 | 非合法市場の拡大による売上減少リスク |
これらのリスクが、BTIの収益を圧迫しています。
米国FDAって何?
FDAとは米国食品医薬品局のことで、食品や医薬品、化粧品、タバコ製品などの規制と監督を担当する米国連邦機関です。
健康志向の高まり
近年の健康志向の高まりにより喫煙率が減少し、BTIにとってリスクとなっています。
なぜなら、健康志向が高まるとタバコの売上が減少するからです。
特に先進国での喫煙率が減少しており、WHO(世界保健機関)の調査によると、米国における喫煙率は2020年に12.5%にまで減少したといいます。
よって健康志向の高まりもBTIにとってリスクとなっています。
レイノルズアメリカンインクの買収
2017年BTIは約49億ドルでレイノルズアメリカンインクを買収しましたが、このことが大きなリスク要因となっています。
買収の背景
BTIがレイノルズアメリカンインクを買収した背景には、アメリカ市場における影響力を大幅に強化する目論みがありました。
なぜならBTIはイギリスの企業であるため、米国内で有力な企業を買収すれば市場拡大を狙えたからです。
レイノルズアメリカンインクは米国内で「Camel」や「Newport」などの人気ブランドを持っていたため、同社を買収すれば米国市場で戦略的な補完関係を築くと考えていました。
よってBTIはレイノルズアメリカンインクを買収しようとしたのです。
買収による新たなリスクと株価下落
レイノルズアメリカンインクを買収したことで、BTIは以下の新たなリスクを背負いました。
リスク | 内容 | BTIへの影響 |
---|---|---|
財務リスク | 買収するために多額の負債を抱えたことが、財務的なリスクを引き起こしました。 | ・資本金の大幅な下落 ・株価の下落 |
規制リスク | 買収後、FDAや各州が行ったタバコに対する規制が、BTIの収益に大きな圧力をかけました。 | ・株価の下落 ・収益性の低下 |
買収後の2018年、BTIは大幅な株価下落を招いています。
2018年に株価が大幅下落したのは、買収でこういったリスクが発生したからなのね。
買収による減損処理の計上
2023年にBTIはレイノルズアメリカンインクの買収に関する費用を非現金減損処理として計上し、これがリスク要因となっています。
これは米国市場におけるタバコ規制の強化や消費の減少により、レイノルズアメリカンインクの一部ブランド(「Camel」など)の価値が下がったためです。
これによって2023年中のBTIはさらなる株価下落を招きました。
よって買収による減損処理の計上はリスク要因となっています。
この減損処理を教訓に、BTIは将来の収益性を見直していきます。
BTIの将来性
BTIの将来性については以下の3点です。
次世代製品(NGP)の開発
BTIはタバコの次世代製品(NGP)の開発に成長戦略として取り組んでいます。
以下はBTIが開発したNGP製品の表です。
製品名 | タイプ | 主な市場 | 使用方法 | 主な特徴 |
---|---|---|---|---|
glo(グロー) | 加熱式タバコ | 日本、韓国、ヨーロッパ、アジア | タバコ葉を加熱してニコチンを摂取 | ・タバコ葉を使用して燃焼を伴わないので、有害物質を削減 ・日本で人気が高い |
Vuse(ヴューズ) | 電子タバコ | 北米、ヨーロッパ、その他多くの国 | ニコチンを含むリキッドを加熱して蒸気を吸引 | ・バッテリー駆動でリキッドを使用 ・2023年時点世界市場シェアリーダー |
このような次世代製品を開発することで、従来の紙巻きタバコからの脱却と規制強化対策を図っています。
新しい製品を開発することで、リスク対策しているのね。
燃焼を伴わないgloなら、健康志向への対策にもなるよね。
新興国市場での消費拡大
タバコ市場は先進国で減少傾向にある一方、新興国市場では消費が拡大しているためBTIのプラス要因となっています。
なぜなら近年の新興国市場は、経済成長により購買力が向上し、喫煙習慣が広がっているためです。
特にアジアやラテンアメリカでの需要が顕著で、フレーバー付きタバコが若年層に広がって人気となっています。
このように、新興国市場での消費拡大がBTIにとってプラス要因となっています。
今後もまだまだタバコ市場は伸びそうだね。
高い営業利益率
BTIは過去5年間、営業利益率40%以上と高い数値を記録しています。
これは本業であるタバコ市場が好調さと、BTIの企業収益力を証明しています。
例えば今後も同様の数値を記録した場合、将来的には企業成長と株価上昇も見込めるでしょう。
よってこの高い営業利益率がBTIの将来性を示しています。
これについては、先ほどの「タバコの永続的競争優位性」も見ると理解が深まりますよ。
BTIだけで配当生活は可能か
BTIは非常に有効な高配当銘柄ですが、同社株だけでは配当生活は不可能です。
なぜなら以下の理由があるからです。
- BTIの株価や配当利回りが安定していない
- リスク分散がされていない
- 多額の資金がないと配当生活に必要な収入にならない
- 規制強化や健康志向によりタバコ市場が衰退する可能性がある
例えばBTIだけを大量購入し、一時的に配当金だけで生活できたとしても、新たな規制強化や購買意欲の低下によりタバコ市場が消滅する危険性もあります。
よってアルトリアだけでは配当生活は不可能です。
配当生活に貢献する高配当銘柄として、ポートフォリオの一部に組み込むならとても有効です。
BTIのおすすめ購入タイミング
BTI株を購入するおすすめタイミングについて見ていきます。
権利落ち日直後
BTIのおすすめ購入タイミングは権利落ち日直後と考えます。
なぜなら高配当銘柄は権利落ち日直後に株価が大きく下がる傾向があるからです。
例えば配当金目的に株を購入する株主は、配当が確定したらすぐに手放す株主が多い傾向があります。
よっておすすめの購入タイミングは権利落ち日直後と考えます。
おすすめは権利落ち日直後の下落した時に、定期的に少しずつ購入し続けて、配当性向の高いポートフォリオを作ることよ。
減損処理後で株価上昇中の今
BTIを購入するなら、減損処理が終了し株価も右肩上がりで上昇中の今がタイミングと考えます。
なぜなら買収後の減損処理という大きなリスク要因が終了した直後だからです。
もしも市場が減損処理をしても不安定さが残っていると判断しているなら、株価が上昇することもありません。
よってBTIの購入タイミングは、減損処理が終了し株価上昇中の今と考えます。
安い時に買い入れて長期保有が配当生活のコツです。
入金力の少ない会社員に有効な銘柄である
BTIは入金力の少ない会社員の資産形成に有効な銘柄です。
なぜ有効かというと
- 少額で購入できる
- 高い配当利回りのため大きく資産を増やせる
- 今後も配当利回りが上昇する可能性がある
- NISA口座で買えば日本国内の配当課税はかからない
このようなメリットがあるためです。
入金力の少ない会社員が少額でもコツコツと買い増ししていけば、資産価値の高いポートフォリオが出来上がります。
以下は保有状況です。
ただし、NISAでも米国内の10%の配当課税だけは徴収されるので注意しましょう。
BTIはADRだから大丈夫だけどね。
詳しくは「ADRであるBTIは配当課税がかからない」を見てね。
まとめ・BTIは有効な高配当銘柄
本記事ではBTIの配当生活の実現可能性ついて徹底的に解説しました。
本記事で解説したBTIのリスクや将来性は以下のとおりです。
- 規制強化リスク
- 健康志向の高まり
- レイノルズアメリカンインクの買収
- 次世代製品(NGP)の開発
- 新興国市場での消費拡大
- 高い営業利益率
これらを踏まえて、本記事で厳選したBTIの注目すべき点は以下の4点です。
- レイノルズアメリカンインクの減損処理の行方
- 従来の葉巻タバコから次世代製品への移行
- 今後も40%以上の高い営業利益率を維持できるか
- 右肩上がりの株価がどこまで上昇するか
BTIは大規模な買収や負債整理を経験しながら企業として成長し、現在も高い配当性向を維持し続けています。
BTIを皆さんの高配当株の一つとして組み入れれば、夢の配当生活に一歩近づけるはずです。
皆さんの米国株投資による配当生活を応援しています。
本記事は情報提供を目的としたものであり、その手法や知識について勧誘や売買を推奨するものではありません。
本記事に含まれる情報に関しては、万全を期しておりますが、その情報の正確性、完全性、有用性を保証しません。
情報の利用の結果として何らかの損害が発生した場合、著者は理由のいかんを問わず投資の結果に責任は負いかねます。
投資対象および商品の選択など、投資にかかる最終決定はご自身でご判断ください。